窓辺の机

窓辺の机から世界を夢想

「枯葉 」~ Yenne Lee

ギターノート 5


 前回の記事『カーニバルの朝』は Han Eun(ハン・ウン)さんの演奏がきっかけだが、
今回は Yenne Lee(イェン・リー)さんのユーチューブ演奏『枯葉』から。

 韓国の女性ギタリストは、このような憂いあるメロディーを歌うように弾くのが上手だ。イェンさんは自らアレンジもしている。

 この名曲には多くのギター・アレンジがある。もう半世紀も前、私が学生時代に愛用していた本橋正人さんのアレンジはとてもおしゃれで、いまでも第1級だと思う。(『ギター・スクリーンアルバム』水星社)。

 今回聞いたイェンさんのアレンジは、それいらい出会った中でもとびぬけていて、極めつけという感じ。前半、後半のメロディーを様々な形式で展開し、「枯葉・変奏曲」とでもいうべき大曲になっている。演奏も情緒に流されず、端正で爽やか。

 さっそく楽譜を手に入れ、挑戦してみる。聞いていてもそうだが、弾いてみるともっと面白く楽しい。何より、いろいろなテクニックの勉強にもなる。(文末✻にアレンジ分析)。

 最近ギターを再開して気づいたのだが、パク・キュヒさんなどをはじめ、80年代生まれの韓国の女性ギタリストが登場し、層を広げてきたようだ。そして韓国だけではなく、新世紀が始まる頃から、世界では女性ギタリストがぐっと増え、中核になりつつあるような気がする(男性だからつい女性に目が移ってしまうのかも)。ともあれ韓国は目と鼻の先のお隣の国。この国の女性ギタリストたちと、日本のギタリストのコラボ・コンサートなんかが企画されるといいなあ、なんて思っている。

✻ イェンさんアレンジの『枯葉』について

 まずは自由なアドリブ調で開始。オーソドックスな和音構成で落ち着いたあと、突然ボサノバ風の軽快な展開に。そのあと、ソル風のソナタ調、バロック風のおしゃれな展開と、古典的に重厚に歌ったあと、「禁じられた遊び」風の分散和音で気分転換し、最後に低音ピチカートによるバラード調でしっとり歌い(これが実に渋い)、静かに終わる。何度か出てくる低音部の「ミ→♯ファ→ソ」の盛り上げが独特のサビになっている。

〔2020年7月〕